夕学クロシング

我を仕切り直すクロシング

キャリアの仕切り直しを迫られる人生100年時代には、自身を深く知ることが必要となる。引退後、活躍の舞台を別に移した為末氏と中原氏の対談、意識と無意識の研究から自らを知る難しさを解く渡邊氏、若くして幾度も仕切り直しを経験した梅原氏より極意を学ぶ。

Description

ビジネスとして「使える」こと個人として「わきまえる」こと

キャリアの仕切り直しを迫られる人生100年時代には、自身を深く知ることが必要となります。現役引退後、活躍の場を移し起業した為末氏と社会人教育を専門とする中原氏の対談、意識と無意識の研究から自らを知る難しさを解く渡邊氏、若くして幾度も仕切り直しを経験したプロゲーマー梅原氏の3講演を通じて仕切り直しの極意について考えました。

◆感想と発見より
為末氏と中原氏の講演に対しては、「理想とのギャップに自ら耐えてもがいて、次の自分のすがた・在り方を得ることが、人生100年、しごと60年時代の生き方になる」「プライドを捨てて挑戦することが成功のヒントになる」「なりふり構わずチャレンジしていきたい」と。渡邊氏の講演に対しては、「人間はありのまま外界情報を捉えることができない」、「マーケティングにも大変示唆に富んだ講演」「未知への恐れと未来への可能性を感じさせる講演」と。梅原氏の講演に対しては、「梅原さんのお話は渡邊氏の意識決定のプロセスの理論を具体的に補完されていて納得がいきます」「道を極めたヒトは、グッとくる言葉とその言葉を創り出す哲学を持っている」と。3講演に対しては、「周りに流されず、自分の理屈抜きの好きという気持ちに正直に決めた方がよい」「仕切り直しとは、自分自身の仕切り直しであると同時に環境の仕切り直しでもある」「自己理解、自己決定は、それが客観的に正しいかどうかというよりも、本人が歩き続ける力の源泉になるから意味がある」といったコメントをお寄せいただきました。

◆創発のディスカッションとリフレクションより
創発では消化仕切れなかった渡邊先生の講演内容をベースに、「ビジネスとして「使える」こと個人として「わきまえる」ことについて考えました。「使える」こととしては、(1)新商品、新事業の企画時に好きと思わせるために「懐かしいけど新しい」要素を盛り込むこと、(2)明確な意思決定ありきではなく、時に行動することで、自分を方向付けるという進め方や敢えて決めないという選択肢もあること、(3)直感(無意識)で創造性を発揮し、論理(意識)で説得力をつけるなど、両者を上手く使い分けること、などを気づきとして挙げていただきました。また、個人として「わきまえる」こととしては、(1)人の意思決定は感情やストーリー、第一印象(好き/嫌い)などのバイアスから逃れられず、後付けで理屈まで作ってしまうことを心に留めておくこと(人事評価なども)、(2)同様に知識や原体験も自らの認識や可能性を広げる武器にも、世界を狭める凶器にもなると認識しておくこと(3)それらを回避するために、他者の声に耳を傾けたり、複数人で意思決定したりするよう日頃から心掛けること、が大切であるといったコメントいただきました。加えて最後いただいたコメントにこのクロシングも「新奇性と親近性」を上手く活用しながら、皆さんに楽しんでご参加いただけるよう進めたいと、心新たに(仕切り直しを!?)した5月のディスカッションでした。(ファシリテーター鈴木)

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