夕学クロシング

インサイトが香るクロシング

公教育の世界に次々と新風を巻き起こす元リクルートフェローの藤原和博氏の魅せるプレゼンテーション。若き歴史学者都倉武之氏と元学徒兵御三方が織りなす「戦争と学生」の記録と記憶。あらゆる面で好対照をなす二つの講演から人生の意味を掘り下げてみます。

Description

複線をもつ

藤原和博さんは情報編集力、自己プレゼン力、複数型の人生でこれからを生きる力をパワフルに語っています。そして、都倉准教授とともに元学徒兵お3方の戦争の体験・記憶を伺いました。皆さんのコメントよりディスカッションの様子をご紹介します。

◆藤原和博さん「正解のない問いに向き合う力」の感想(感想・発見より)
・何度聴いても引き込まれる講演。まさに脳がつながる講演だからと感じました。
・私が印象に残ったのは、一つの分野にとどまらずかけ算をする。
・ルールをもう一歩、二歩踏み込んで自分の言葉に作り直してあり、納得感と説得力がありますね。

◆都倉准教授・元学徒兵の方々「戦後70年、学生と戦争を考える」の感想(感想・発見より)
・戦争といってもそれぞれの体験があり物語がある。固定観念を持っていたのは自分のほうでした。
・戦争の影や緊迫感が軍に入るまでは、それほどなっかたというのは、驚くとともに、当時の徹底した情報統制の恐ろしさを感じました。
・世界の歴史は戦争の歴史でもあり、戦争を通じて人間の本質が見えてくるように感じました。

◆11/16(水)創発のディスカッションから(感想と発見より)
「感想」と「発見」をふまえ「創発」では、複線を持つ・作ること、生声をベースに考える・相手の頭の中で考える、の2つについて皆さんと考えました。

藤原さんは「複線を持つ・作る」ことをおっしゃっていました。学徒出陣されたお3方は意図せず人生の複線を経験されたわけですが、私たちそれぞれが複線を自ら持つというメッセージとヒントでもありました。
自身にとっての複線のの可能性に気づいた方、キャリアと結びつけてお話くださった方、さまざまありました。複線をもつためには長いこと主体的に関わることではないか、意図しないキャリアチェンジも「自分の複線を増やすチャンス」ではないか、などの気づきも寄せられました。

「相手の頭の中で考える・生声をベースに考える」は説得力ある藤原さんのメッセージのひとつ。学徒出陣されたお3方はまさに生声でした。生声とは何か。「論理的に正しそうに見える唯一の正解」という考え方を破壊してくれる大事なもの/ある方は「実感のはりついた知識」と表現します/その声色に微細な感情を帯びているためか腹に響くものを感じます/など。そして感想や気づきが寄せられました。

なぜこの2講演なのか、どうクロシングするのかわからないとの感想も寄せられながら始まった今月ですが、ディスカッションするうち発見があり、つながり、深まりがありました。皆さん各々が2講演のメッセージをひとつ、深く掘り下げてくださっていたと感じます。生き方にも思考にも複線の意識ということだと気づきました。
皆さんはいかがでしたか(引き続きリフレクションは書き込んでいただけます)。(ファシリテーター湯川)

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